ひとり遠足に行ってきた。
行き先のひとつは、最近増えているといわれる小さな本屋さん。個人で経営している書店で「独立系書店」ともいわれるらしい(一応、 こちら[本屋さんは必要?大型書店が消える一方で増える独立系書店]NHKのページでもこのことばが使用されている)。
本を愛する同業の友人もこのような書店をよく利用するらしく、自分で好きな本を選びつつも、店主との対話を通じて自分に合う本を紹介してもらうようなこともあるらしい。ほかにはないそのお店独自のイベントや読書会にも足を運んで、楽しみや学びの場、人との交流の場としても活用しているようだった。お気に入りの店、自分に合う本が棚に並んでいる店を見つけるといいかもね、ということも言っていた。
私も個人の本屋さんに行ってみたいなぁ。
そういえば、絵本のお店だったら、私が20代後半に都会に出てきたころ、それまた本の虫である(なかでも絵本や児童文学が大好きな)友と一緒に、絵本や児童書を扱う新刊書店や古書店をめぐっていたことを思い出した。
さらに、ちょうど『しぶとい十人の本屋―生きる手ごたえのある仕事をする』辻山良雄(朝日出版社)という本を読んでいる最中であることも、私の背中を押した。この本は、まさに独立系書店を営む著者が、同じように個人で本屋を営む全国の仲間9名に会いに行った記録を綴ったものだ。
こんどは、絵本や児童書にかぎらず、さまざまな本を扱う個人書店に行ってみよう。
まずは、気になるお店一軒に行ってみることに。
駅で電車を降り、「閑静な住宅街」ということばはここのためにあるのかというほど落ち着いた住宅地を抜けたところにそのお店はあった。
小さい本屋さんなので、もしお客さんが自分だけだったらなんとなく緊張しちゃうな、なんて思っていたが、開店10分後ですでに2、3人お客さんが入っていた。私が滞在した約1時間のあいだにも、お客さんの出入りはわりと頻繁にあった。失礼なことを考えてしまったと反省しながら、小さな店内をぐるりと3、4周して、3冊を家に持ち帰ることにした。
ほんとうはもっと持ち帰りたかったのだが、さすがに、金銭的にも重量的にもいくらでも買えるほどの経済力と体力はないため、3冊に絞ったのだった。

『生きる力が湧いてくる』野口理恵(百万年書房)、『バームクーヘンでわたしは眠った』句と文 柳本々々 絵 安福望(春陽堂書店)、『傷のあわい』宮地尚子(ちくま文庫)。
バームクーヘンで…の本は、以前から気になっており、自分が好きな本であることをわかっていて購入。宮地尚子さんの文庫は、帯に、以前読んだ同じ著者の本『傷を愛せるか』の原点、と記載されていたため気になって購入。
というわけで、今回は、本との思いがけない出会いというよりも、これまでの読書歴に基づいて手に取った、という感覚であった。あまり冒険はしなかった。それでも、そこの書店の店主が選んだ本が並べられた棚をみていくのはエネルギーの要る作業でもあったが、とても興味深く楽しい時間であったし、持ち帰りたいと思える本にたくさん出会えたことはしあわせだと思う。
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せっかくこの街に来たのだからと、近くのパン屋さんに寄ってみることにした。ここでも、もっと買いたかったのだが、金銭的にも、少食である私の性質的にも、3個に絞るしかなかった。
帰宅途中、電車が遅れていたため、通常よりも20~30分、余分に時間がかかった。
そのあいだに、駅のホームや電車のなかで3冊のうちの1冊『生きる力が湧いてくる』を読んでいたら、1/4くらいを読み終えた状態で家に到着した。
15:00をまわっていた。
遅い昼食。
熱い紅茶とともに、買ってきたパンを頂く。
それまた、パン自体がとてもおいしくて、愛をこめて丁寧につくってあることがわかり、おなかが満たされるとともに、心のなかにあたたかい気持ちが広がっていった。いいお店にまた出会うことができてうれしかった。
今回の遠足は11,023歩。歩数、思ったよりも少なかったな。ミニ遠足。