きのうは用事があって都会の真ん中あたりに出かけた。
新しいことを始められたらいいなという軽い好奇心から、まずはお試しとして、ある体験レッスンに申し込んでいたのだ。
参加者は私を含めて4名だった。
それでも「満席」という表示が出ていたから、少人数に対して近い距離でレッスンをしようとしているのだな、と思う。
対話や実践が中心のレッスンだった。
講師の方が、もうなんというか教養と発想力と優しさのかたまりのような方で、きょうこの先生に出会ってお話できただけでも、ここに来てよかったと思った。
ただ、いわゆるあがり症の私は、散々であった。
たいてい、3名以上人が集まる場所へ行くと極度に緊張する。
ふるえる声を懸命に出すものの、「みんなの視線が自分に集まっている」ことを感じるほどに声が出なくなっていき、ほかの人から見てもわかるほど体がガタガタと震える。
ほかの3名が素晴らしい能力を持ち、堂々としているように見えて(実際にそうなのだが)さらに気後れしてしまう。
2時間の予定を40分ほどオーバーして、レッスンは終了した。
皆さんと別れたあと、ぐったりしてしまう。
もちろん、楽しくて学びの多い時間だったのだけれども。
やはりこのような私が、こんな大それたことに挑戦するなんて無謀だったのかな。
いや、だからこそ、そのような場に飛び込んでいかなくてはならないのではないか。
2つの思いが交錯し、そのあと床に就くまでずっと、考え込む。落ち込む。自分のこれまでの生き方、自分まるごとに自信がなくなっていき、これからどうすればいいのかわからなくなる。
*
きょうの朝、散歩中に夫から尋ねられる。きのうの夜、泣いてたの?と。え、なんでと私が言うと、いや、さっき布団たたむときにティッシュが置いてあったから、と夫。
あー、ごめん、あれは汗を拭いたんだよ…。寝てるときの汗が相変わらずもうひどくって!
落ち込む時間が若いころより短くなったのは、落ち込む体力さえなくなったせいだろうか、落ち込むのに飽きたせいだろうか。それとも、少しは成長して切り替えがうまくなったと思ってもよいのだろうか。
すっかり切り替わって、次、次行ってみよう~、となっている。
なずな。
上から読んでもなずな、下から読んでもなずな。