つくし日記 ~日々の暮らしと翻訳と~

書くこと、歩くこと、自然を愛でることが好き。翻訳の仕事をしています。

「かくれてしまえばいいのです」と居場所について

新聞を読んでいたら、こんなウェブサイトが紹介されていた。

kakurega.lifelink.or.jp

 

生きづらさを抱える子どもや若者の居場所として、NPO法人 自殺対策支援センターライフリンクが開設したウェブサイトで、「もしあなたが生きるのがしんどくて、この世からいなくなりたいと思っているなら、まずは1回かくれてしまいましょう」との提案を具現化したものだという。24時間無料で、匿名で利用できる。

(新聞記事はこちらでも読める)。

子どもでも若者でもないし、今は「この世からいなくなりたい」と考えることは少なくなった私だけど、どんな場所なのか見てみたいと思い、ためしに少しだけかくれがに入ってみた。

かくれがは、「しにたいきもちとむきあうエリア」と「しにたいきもちをやりすごすエリア」に分かれており、言葉をかけてくれる人がいたり話を聞かせてもらったりできる場所がある。自分のほかにも、かくれがに来ている人がたくさんいることが画面上でわかり、なんだかほっとした(少し行っただけなので、ほかにもたくさんの発見があると思う)。

このかくれがには、電話やSNSで専門家とつながることができる窓口もある。そのように相談しようという気持ちがなくても利用可能であるという部分も、このウェブ空間の価値であると思う。

誰にとっても居場所は必要なもの。不安や恐怖を感じることなく安心して過ごせる居場所がなければ、心の安定を保つことは難しい。

居場所については以前からいろいろ興味があったものの、ウェブサイト上に居場所空間をつくるというアプローチは、子どもたちもパソコンやインターネットを使用するようになった今の時代だからこそできる、これまでにない方法だなと思う(追記、ただし家庭の通信環境はさまざまであり、誰もが常にネットを利用できるわけではない。このような場所にアクセスしたくてもできない人がいるという格差の問題があることを忘れてはならないことに気づいた)。

このような取り組みが必要な人に届くこと、このような居場所によって救われる人が一人でも増えることを願う。

絵本作家ヨシタケシンスケさんの絵も心をやわらかくしてくれる。


最後に、下記のページも見つけたのでここに置いておく。

note.com

私もこれまでの人生、もう生きていたくないと思ったことが何度あるかわからないが、「そんなこと言っちゃダメ」などと言われると、相手は私のことを思って言ってくれていることがわかりつつも、自分を否定されたようでますますしんどくなることもある。だから、私も、だれかに死にたいというような思いを打ち明けられたときには、まずはそのまま受け止めたいと思っている。

このページに書いてある「安全な空間で、安心して死にたがることができる」場所があり、そこにいつでも行けるというのは、死にたいと思う人にとって救いになると思うし、「生きていていいんだよ」という言葉や「『死にたい』気持ちを抱えながら生きることはできるし、『死にたい』気持ちを抱えているからこそ生きられる人生もある」という語りかけは、涙が出るほどあたたかい。