3連休のうちに少し進めておかなくてはならない仕事もあるけれど、いい季節だし、コロナとインフルエンザの予防接種が最も効果を示しているはずの時期だし、強迫症(強迫性障害)の曝露トレーニングもしなくてはならないし(いい口実!)で、ひとりでちょっとだけ出かけることにした。
移動は徒歩と電車。目的地つまり街に近づくにつれて人が増えていく。ゴロゴロとスーツケースを引く人もちらほら。混雑した車内では人と人との距離が近いためやはり感染症に対する不安が浮かんでしまう。それから、駅構内や駅のホームを歩くのがやはりとても怖い。(トレーニングの面から言えば)本当はあまり下を見てはいけないんだけどどうしても確認せずにはいられない。私の最も恐れているものが落ちているかもしれないから(遠回しに言うとよっぱらいの人が落としていくもの。特に夜、駅のホームに立ち入るのはまだ無理かも。早朝も危険)。踏んづけるなどしてしまったら自分がどうなるかわからない。でも、いずれは、ふつうの(強迫症ではない)人と同じように、このようなものやそういう場面にも耐えられるようにしなきゃいけないよな。
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目的地は駅を出て10分ほど歩いたところにある。
先ほどまでにぎやかだった車内や駅前とは風景がガラリと変わった。それは人通りの少ない場所にあった。
立派な柿の木がお出迎えしてくれた。
店員さんか店主のご家族と思われる方が庭の手入れをしていたので挨拶すると、どうぞと返ってくる。
どうやら、靴を脱いでスリッパに履き替えるスタイルのお店のようだ。
やや緊張が走る(さっきからいちいち解説して申し訳ないが、強迫症がひどかったころは自分の靴さえさわれなかった。共用のスリッパももちろん恐怖の対象である)。
大丈夫(ただ、スリッパは、あまり皆が手にしないであろう上のほうのものを手を思い切り伸ばして取った…トレーニングの面からすると、よくない行動だったな、反省)。
頂いたのは、荒茶(あらちゃ)と和菓子のセット。
荒茶とは「摘んだ葉を蒸して揉み乾燥させたままの茶」(広辞苑)。お店のメニューに詳しい説明が記載されていたのをひかえておけばよかったな。
深くて、甘くて、なんというか、茶葉のうまみが生き生きと感じられるお味。丁寧に淹れられたお茶をじっくり味わう…なんてぜいたくな時間なのだろう。
ちなみに、2杯目3杯目は、店内に置いてある茶がまから自分でひしゃくで湯をすくって湯ざまし(写真左上の器)に入れ、それを急須に移してすぐに湯のみに注げばよい。これは楽しい。
お茶のお供。
上橋菜穂子さんの作品には幼いころおばあちゃんが話してくれたことや家族とのかかわり、研究生活など彼女の人生そのものが反映されていることを知る。さまざまなものへの憧れや興味が実に強く幅広くて、それが彼女の想像力あふれる作品の原点になっているのだなぁと。現在世界で起こっていることについても考えさせられる部分があり、うーんと思いながら読む。帰ったらメモしておこう。
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1時間ほどゆっくりしたあと、少し街をぶらついてから帰宅。
最後に、イヤだけどちゃんとトレーニング(お店のトイレ、そして最もおそれている駅のトイレを使う)もした。
いい時間だった。
喫茶店めぐり、新しい趣味になるかも?(うちの姉の真似)