つくし日記 ~日々の暮らしと翻訳と~

書くこと、歩くこと、自然を愛でることが好き。翻訳の仕事をしています。

うれしい知らせ

うれしいことがあった。

新しい取引先をひとつ増やすことができたのだ。

トライアル(翻訳会社に登録するためにテストとして行う翻訳)が少し手強かったからやや心配だったのだが、合格という知らせを頂けた。

契約書への同意や事前トレーニングのための書類、記入すべきファイルなどが山ほど送られてくる。そのあとにも、実際に仕事をする上での注意事項などさまざまな案内が続いた。

これまでは国内の翻訳会社さんとばかりやりとりしていたが、今回は初めての海外(本社)。英語でのやり取りをあまりしたくなくて(読むのはいいが、書いたり会話したりするのが得意ではないため)海外との取引は避けていたのだ。でも今後はインボイス制度のこともあるし、海外にも目を向けてみることに。

送付されてきた書類は、一部(おそらく重要な箇所が)日本語に訳されているものもあるが、それ以外はすべて英語である。何かあれば海外に英文メールで連絡しなくてはならないらしい。それも勉強!いい方向に考えよう。

単価は(交渉して)こちらの希望を受け入れていただけた。私がやり取りしている翻訳会社さんの一番低い単価よりも、1ワードあたり約5円も高い。1日にたとえば1000ワード訳したとすると5000円の差。2000ワード訳せるなら(私は得意なものでないかぎり無理だけどたぶん毎日この量をこなしている翻訳者さんはたくさんいるだろう)1日に1万、20日稼働したとして月に20万、年間240万の差!と考えるとめちゃくちゃ大きい(仕事をそれだけいただければの話である)。

今回の新規登録は、2020年の7月以来である。
長いことほぼ安定していたので新規開拓はあえてせずにいたのだが、いろいろ思うところもあって、そろそろ開拓していくことにしたのだ。

単価については、各翻訳会社さんでもそれぞれ上限がある。ご希望の単価には(何年たっても)上げられませんと言われたら、単価を上げるには新しく開拓するしかない。

単価を上げたいと思うのは、もちろんもらえるお金を増やしたいというのもあるが、それ以外に私にとって重要なのが、単価が低いと自己肯定感が下がるような気がする、ということである。1件1件、絶対に手を抜かず少しでもよいものに仕上げようとしているし、自分にしかできない翻訳をしたいと思って仕事をしている。それなのに、いつまでたってもそれが評価されない(単価に反映されない)というのは悲しい。実のところ私の場合、最も単価の低い翻訳会社からの依頼が一番多かった(その次に多いのが最も単価の高いところ。そしてときどき中間の単価のところ)。案件の量が多いようで、とにかく途切れなく少しも私に休む暇を与えないようにしようという意気込みを感じてしまうほどじゃんじゃん依頼をいただける。仕事を頂けるのは本当にとてもありがたいことだ。でも、ふと、何だか私、ぼろ雑巾みたいに使われてしまっているのではないか、という思いがどうしても湧いてきてしまうようになった。ほかにもいろんな疑問が。何があろうと絶対に手を抜くようなことはしないが、こんな気持ちで仕事をしたくない。ここはきっぱりと…。きちんと評価していただけるところ(こちらが何も言わなくても単価を上げてくださる翻訳会社さんもあった)との関係を大切にしていこうと決めた。

ということで、今回新しく登録した翻訳会社さんとの相性はどうだかまだわからないが、よい関係を築き上げていけたらいいなと思う。まずは、自分に合う仕事をどうかいただけますようにと願うばかり。